トルドー首相辞任間近!米加関係は悪化の一途を辿るのか?虎視眈々と政権の座を狙うカナダ保守党の影。

アメリカに浸食されそうなカナダ
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カナダのジャスティン・トルドー首相が1月7日に辞任を表明した。彼は2015年に、43歳という若さでカナダ首相に就任した。強力なリベラル色を打ちだしながら「気候変動」や「人種差別問題」、「性的マイノリティー問題」などダイバーシティ政策に率先して取り組んでいた。

しかし、大手建設企業の汚職事件の中で、司法省に圧力をかけるなどスキャンダルが暴露され、政界をにぎわせた。加えて、コロナ禍により、支持率が低下してしまう。さらにカナダ国内では、生活費の高騰、移民増加に伴う住宅価格の上昇、インフレの影響により、国民の不満が高まっていた。特に労働者層からの支持を失い、「鉄鋼労働者との対立」など、トルドー政権に対する批判が噴出していた。

トルドー氏の進歩的な政策は、経済や生活を向上させることができなかった。それどころか、右派政党の支持が拡大し、気候変動や正義よりも、生活を重視する、自国を優先したいとする主張が台頭してきたのである。

目次

トルドー首相「アメリカの属州化は現実のもの」と発言、カナダ政界に激震

ドナルド・トランプ大統領がカナダをアメリカの「51番目の州」にするという提案を繰り返し行っていることが、カナダ国内で大きな波紋を呼んでいる。トルドー首相は非公開会合で「トランプの計画は現実のものだ」と発言した、カナダの政界や経済界を巻き込んだ議論が沸騰した。

トルドー首相はカナダのビジネスリーダーらとの会合で、報道陣が退室した後にマイクが切れていないことに気づかなかった。

トランプ氏は、最も簡単な方法は我が国を吸収することだと考えている。それは事実のようだ

引用:https://p.dw.com/p/4qCLx

また、アルバータ州労働連盟のギル・マクゴーワン会長は、

トランプ氏が本当に望んでいるのはフェンタニルや移民問題への対策ではなく、カナダの支配だとトルドー政権は評価している

と述べた。

同氏は、併合計画が単なる外交的な駆け引きではなく、トランプ政権の意図であることを示唆ている。。

トランプ大統領はこれまでもカナダとの貿易関係を巡って強硬な姿勢を示してきた。トランプ氏はカナダからの輸入品に対し20%の関税を課すことを発表したが、トルドー首相が国境警備の強化を約束したことを受け、関税の適用を30日間延期することに同意した。

金曜日、トルドー首相は、カナダを51番目の州にしたいというトランプ氏の願望は「本物」だと述べた。右翼の荒らしは、トルドー氏は嘘をついていると激怒した。今日、トランプ氏は直接質問され、こう答えた…そうだ、それは本物だ。ひどい人がどれだけひどいかを見せたら、彼らを信じろ。

アルバータ州労働連盟のギル・マクゴーワン会長はXの投稿でトルドー首相の発言を認めている。

トランプ氏はカナダが米国に加われば、関税は撤廃され、税金も下がり、軍事的保護が強化されると繰り返し主張しており、その有用性を指摘している。しかし、カナダ国内ではこの発言が内政干渉であるとの反発が強まり、反米感情が沸騰している。現在、カナダ国内では「アメリカ製品のボイコット」が行われている。

カナダは米国にとって重要な経済パートナーである。

特に、カナダはエネルギー資源の供給元としての役割を果たしている。米国の石油消費量の約4分の1がカナダ産であり、さらに電気自動車のバッテリーに必要なリチウムやコバルトなどの鉱物資源も豊富に存在する。

また、カナダはアメリカにとって最大の輸出先であり、毎日約27億ドル相当の貿易が行われている。

トルドー首相の辞任とカナダ政界の混乱

トルドー首相辞任の背景には、トランプ氏による関税戦略の圧力や、カナダ経済の停滞、さらには国内での支持率低下があると見られている。トルドー氏の辞任により、カナダ政界は次のリーダーを巡る混乱に突入することが予想される。

カナダの次期有力候補とされるのが野党保守党のピエール・ポワリエヴル氏である。

トランプ氏はポワリエヴル氏の立場を支持しており、アメリカとカナダの併合を強く求めている。

一方、カナダの自由党内部では、新党首候補としてマーク・カーニー元カナダ銀行総裁、メラニー・ジョリー外相、クリスティア・フリーランド元副首相の名前が挙がっている。しかし、自由党の支持率は保守党に20ポイント以上の差をつけられており、今後の選挙での苦戦が予想される。

終わりに

トランプ氏の「カナダ51番目の州化」「米加併合」発言は、単なる選挙戦略の一環なのか、それとも本気で米国の国境を拡張しようとしているのか。いずれにせよ、カナダ国内ではトランプ政権の再来に対する懸念が高まり、政界も大きく揺れ動いている。

トルドー首相の辞任後、カナダはどの方向に進むのか。次の総選挙では、トランプ氏の影響力がどこまで及ぶのかが注目される。

参考資料

アメリカに浸食されそうなカナダ

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この記事を書いた人

ほのぼの過ごしてるフリーライター。物語エッセイ、小説、時事記事などを書いてます。元リスク学研究員であり、現在情報コンサルにてインターネット・危機管理部門を担当。古書ECのプロジェクトを推進中。たまに俳句。積書が多く、横溝正史・京極夏彦が大好物。

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