WHO、脱退ドミノの前兆か?アメリカに続きアルゼンチンが世界保健機関を脱退。

アルゼンチンの国旗
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アルゼンチン政府は、世界保健機関(WHO)からの脱退を決定したことを発表した。この動きは、先月ドナルド・トランプ米大統領が行った同様の措置に倣うものと見られている。

アルゼンチンの脱退理由

ハビエル・ミレイ大統領の報道官であるマヌエル・アドルニ氏は、記者会見で次のように述べた。

「ミレイ大統領は、アルゼンチンの世界保健機関への参加を撤回するよう指示した。我々は、国際機関が主権や健康政策に介入することを許さない」

引用:https://youtu.be/_UjclzFCqSY

さらに、アルゼンチン政府は、WHOが新型コロナウイルス感染症のパンデミック時に「際限のない隔離を推進し、経済的損害を引き起こした」と非難し、組織のあり方を問い直す必要があると主張している。

WHO脱退の影響

アルゼンチン報道官は、脱退による資金的な影響はないと強調し、次のように述べた。

「WHOからの健康管理のための資金援助を受けていないため、脱退してもサービスの質には影響を及ぼさない」 引用:https://www.theguardian.com/world/2025/feb/05/javier-milei-argentina-who

一方で、医療団体や野党勢力は、WHOの資金を活用していた一部の公衆衛生プログラムに影響が出る可能性を指摘している。

NGO「ソベラニア・サニタリア」は

「WHO脱退は、医療技術や必須医療用品の調達に必要な資金に影響を及ぼす可能性がある」

引用:https://www.theguardian.com/world/2025/feb/05/javier-milei-argentina-who

と懸念を表明した。

国際的な影響と今後の展開

WHOからの脱退による直接的な影響は、アルゼンチンよりも米国の方が大きいと考えられる。米国はWHOに年間約9億5000万ドル(総予算の約15%)を拠出している一方、アルゼンチンの拠出額は800万ドル程度であり、WHO全体の運営にはあまり影響しない。

しかし、今後アルゼンチンに続く国が現れるかどうかが注目される。仮にWHO脱退が広がれば、唯一の国際的な保健機関としてのWHOの信頼性が揺らぐ可能性がある。

だが今回のアメリカの脱退は、WHOの要職に中国人の職員が置かれる機会を与えることになる。そうなれば、国際秩序においてアメリカのプレゼンスは低下し、中国の台頭を許すことに繋がるだろう。トランプ政策は、多くが貿易戦争相手である中国に利する形となっているのだ。

アルゼンチンの対外政策の変化

WHO脱退以外にも、ミレイ政権はトランプ政権と歩調を合わせる政策を次々と発表している。

  • ボリビアとの国境管理強化: 麻薬密輸対策として200メートルのフェンスを設置するなど麻薬犯罪の対策を強化している。
  • トランスジェンダー政策の変更: 同国内では未成年者の性転換手術を禁止し、女性刑務所へのトランスジェンダー女性の収容を制限。
  • 国際機関からの脱退検討: パリ気候協定などの環境条約からの脱退の可能性も浮上している。

結論:アルゼンチンの未来はどこへ向かうのか

ミレイ政権は、自由市場経済と国家の主権を重視する「無政府資本主義」の立場を明確にしつつある。しかし、WHO脱退の影響が国内の医療インフラに及ぶ可能性や、国際社会での孤立を招くリスクが指摘されている。この決定がアルゼンチンの公衆衛生や国際関係にどのような影響を与えるのか、今後の動向が注目される。

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この記事を書いた人

ほのぼの過ごしてるフリーライター。物語エッセイ、小説、時事記事などを書いてます。元リスク学研究員であり、現在情報コンサルにてインターネット・危機管理部門を担当。古書ECのプロジェクトを推進中。たまに俳句。積書が多く、横溝正史・京極夏彦が大好物。

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