なぜ「月曜日」かといえば、日曜日の夜に「月曜日」を想起させるような話が来ると、憂鬱になることからそう呼ばれてますよねw
これは「ブルーマンデー症候群」だとか、「月曜日病」と言われているそうです。
しかし、どうやら欧米では、心理学者によって日本のこの心理現象が「鬱病を軽視している」と問題になってるようです。
鬱病は正しく理解されなければならない
そもそも、世界中でブルーマンデー症候群の根拠となる研究結果は今のところ確認されていないようです。むしろ欧米では鬱病に対するひどい誤解が生じると批判すら受けています。
確かに、ブルーマンデー症候群と検索すると保険会社、睡眠グッズの販売、心理相談系のブログなどが山積されていますね。科学的に証明ができない、あるいは鬱病に対する誤解を生じさせるような発言を企業が拡散する事実は問題視する必要があるでしょう。
そもそも「鬱」は一日で起こるものではありません。
私が心理学を学んだ際も、「一週間で最も憂鬱になる日」を特定することよりも、「なぜ学生や社会人が、休日と平日の境目で憂鬱になるのかの背景」を解明することが重要であると言われたことがあります。つまり、分析単位を一日ではなく、生活習慣や学習・労働環境に置くことが重要です。
かつて、日本人男性の月曜日の自殺率は、他の曜日よりも大幅に高いと言われたこともあります。
参考資料:https://www.semanticscholar.org/paper/Blue-Monday-phenomenon-among-men%3A-suicide-deaths-in-Ohtsu-Kokaze/bc48eebd07511f1e4d33c1a5324dffd835947304?p2df
結果として、週労働という制度的問題の改善が指摘されましたが、果たしてそれだけだったのでしょうか?
現在でも週労働を採用している企業は多いですし、何よりも「月曜日」というだけで自殺するというわけではありません。そこには背景となり得る変数が全く考慮されていません。
「月曜日が原因で人が自殺する」というわけではなく、「月曜日になると自殺する人が多い傾向にある」というだけです。
そのため、何の証拠もなく、月曜日が一週間で最も憂鬱になり、鬱病のリスクが高まるんだという主張は、いかに鬱病を軽視しているかがわかります。
鬱病は特定の日に突如として起こるのではなく、長期間にわたって続くものなのです。
なぜ月曜日に憂鬱を感じるのか?
むしろ、日本国内で長期間にわたって「日曜の夜になると、明日の事を考えてネガティブな気持ちになる」と刷り込まれたことが問題だといえます。
例えば、月曜日になると憂鬱になる原因として「社会的ジェットラグ」という現象があります。これは、土日に休息を満喫し、「寝だめ」などを行なうことで生活リズムが崩れることを意味します。あるいは土日に夜更かしや寝坊をすることで月曜日に疲労が蓄積することを意味します。すると、ストレスホルモン(コルチゾール)が月曜日の朝に急上昇し、気分が不安定になるという現象です。
すると起き上がった際に、月曜日が近づくにつれて日曜とのギャップを感じて、気分が落ち込むというものです。
あるいは月曜日は、仕事や学校生活の中で、新しいタスクや締切、対人関係などに直面することが多く、プレッシャーを感じやすい日です。とりわけ人間関係は人間の悩みの一つでしょう。

対処法はどうすればよいのか?
いくら鬱病が生物学や脳科学、心理学などの科学的な研究によって説明できるとしても、「根絶不可能な病」の一つであることは理解しておかなければならないでしょう。なぜなら、鬱病は単なる「病気」ではなく、人間の心と社会の構造が関係する非常に複雑な現象だからです。
社会に存在するストレス要因や環境の変化、戦争・経済危機・自然災害などの大変動が日常的に存在する以上、「鬱病」は根絶できません。
鬱病は脳の防御反応であります。
脳が「休んでほしい」と警告を出している状態です。もし鬱病を根絶するとすれば、それは脳機能の一部を排除することになってしまいます。鬱を感じることは、脳の正常な機能と解釈することもできるのです。
ブルーマンデー症候群は、むしろそうした鬱病に対する無理解の象徴なのかもしれません。
VTuberが「明日は月曜日」ということを我々が「煽っている」と感じるの、意外と根深い心理的な問題が潜んでいるのです。「明日は月曜日」という言葉に鬱を感じないために、私たちができることはただ一つ。生活習慣や労働環境を改善することです。
参考資料





